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時効の種類

①時効とは

時効とは一定の状態が継続する場合には、それが本来(本当)の権利関係と一致するか否かを問わず、その現状を権利関係として認めようとする制度です。

すなわち、本当の権利関係と現実の状態に差異が生じたときに、長期間継続した後者の状態に合わせようとする制度なのです。

②取得時効と消滅時効

例えば甲所有の土地に乙が勝手に建築物を構築し、甲からの立ち退き請求もなく一定期間が経過すると、法的には乙の所有の土地となってしまうことがあります(取得時効)。

また丙が丁に対する金銭債権を一定期間請求することなく放置していると、丙の債権は消滅してしまい、丙は支払う必要がなくなります(消滅時効)。

③目的

このように時効には取得時効消滅時効の2種類があります。放置した権利者よりも現状を優先して、社会の秩序の維持と安定を目的として設けられました。

また取得時効に関して、時効が完成するとその効力は起算日にさかのぼります。上記例に例えると、甲所有の土地に関して時効が完成すると乙は占有を開始したときから土地の所有者であったことになるのです。

時効の効力と放棄・中断

①時効の援用

時効は長期間継続した状態があるときに外観に合致する権利関係を認める制度ですが、その時効の利益を受ける者が主張することを時効の援用といいます。

時効の援用をできるのは直接に利益を受ける者だけです。裁判所は当事者が時効の援用を主張しなければ、採用して裁判をすることはできません。また時効の利益は予め放棄することはできません。

②放棄

放棄は利益を受ける者が利益を受けないという意思表示することで時効の完成後は放棄できます。

これは放棄する者だけに及び、例えば連帯債務者の一人が時効の放棄をしても他の債務者が放棄をしたことにはなりません。

③中断

時効には中断という制度があり、権利者が権利行使の意思を明らかにしたときは、時効期間を起算点に戻します。

例えば債権者が持つ1000万円の債権について消滅時効が進行していますが、時効の完成前に支払請求権を行使するような場合です。

時効を中断する方法としては裁判を起こすなどの裁判所が関与する方法で自己の権利を主張する請求があります。ただし当裁判が却下、取り下げがあれば時効の中断は生じません。

差押え・仮差押え・仮処分も裁判所の関与から時効は中断します。裁判所の関与外では承認により時効を中断することができます。