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建築基準法とは

①建築基準法とは

建築基準法は建築物の敷地、構造、設備および用途について最低基準を定め、国民の生命・健康・財産の保護を図り、公共の福祉の増進に役立つことを目的としています。

その内容は

  1. 単体規定
  2. 集団規定
  3. 制度規定

の3種類に分けられます。

①単体規定

単体規定とは、全国にある個々の建築物の敷地、構造および建築設備に関して規制を加えるものです。

この規定は個々の建物の安全性や居住性を保つことを目的としているので都市計画区域及び準都市計画区域の内外を問わず、建物がある限り全国どの場所にも適用されます。

②集団規定

集団規定とは、集団的に立ち並ぶ建築物相互間の調整を図り、国民の生命・健康・財産を守るために原則として都市計画区域および準都市計画区域内の建築物の敷地・構造・建築設備に関して規制を加えるものです。

単体規定と集団規定を合わせて実体規定といいます。

③制度規定

制度規定とは、建築基準法の制度目的や語句の意味・手続きや罰則等のことです。

制度規定の代表的なものとしては、単体規定や集団規定が守られているか否かをチェックするための建築確認制度があります。

②建築協定

地域住民の申し合わせにより、建築物の敷地や用途等に関して制限を定めることができる制度を建築協定といいます。そのほかには、建築審査会や罰則等が設けられています。

③建築基準法の例外

建築基準法をそのまま適用すると社会・経済的に不都合が生じる場合等があります。そこで一定の建築物については適用除外としています。

具体的には

  • 文化財保護法により国宝・重要文化財等に指定された建築物等
  • 建築基準法が施行または適用された際に現に存在する建築物などで新たに施行または適用された規定に適合しない部分を有する建築物である既存不適格建築物

があります。

建築確認が必要なケース

①建築確認が必要なケースとは

建築物に瑕疵があると、災害等で傾くだけで人命を奪うケースもあります。そのような事態を防ぐために、建築計画を事前にチェックすることを建築確認といいます。

建築確認が必要なケースは以下の状況により異なります。

  • 建築場所
  • 建築物の規模
  • 建築行為

②建築状況

建築場所は

  • 全国共通
  • 都市計画区域・準都市計画区域・準景観地区・知事指定区域
  • 防火・準防火地域

の3種類になります。

建築物の規模は大規模建築か否かに分けられます。

建築行為は

  • 新築
  • 増改築・移転
  • 大規模修繕
  • 用途変更

の4種類があります。

①大規模建築物

大規模建築物は

  1. 用途に供する床面積の合計が100㎡を越える特殊建築物
  2. 3階建て以上or延べ面積500㎡超or高さ13m超or軒の高さ9m超の木造建築物
  3. 2階建て以上or延べ面積200㎡超の木造以外の建築物

をいいます。

大規模建築物は新築・大規模修繕・用途変更の場合は全国どこでも建築確認が必要です。

増改築・移転であれば全国どこでも原則として建築確認が必要ですが、例外として防火・準防火地域以外の地域で行う当該箇所が10㎡であれば、建築確認は不要となります。

②それ以外の建築物

大規模建築物以外の建築物は、新築・用途変更は全国どこでも建築確認が必要となります。

増改築・移転であれば、大規模建築物と同様に、全国どこでも原則として建築確認が必要ですが、例外として防火・準防火地域以外の地域において行う当該箇所が10㎡であれば建築確認は不要となります。

大規模修繕については建築確認は不要です。

建築確認の手続き

①建築確認とは

建築確認とは建築物が建築基準法に適合しているか事前にチェックするシステムです。建築物といっても小さな住宅から大規模なショッピングセンターまで様々な種類があります。

全てに建築確認を行うことは不可能であり、一定の場合に建築確認の手続きを行う必要があります。

②建築確認のポイント

建築確認が必要な建築物でポイントとなるのは以下の3点になります。

  1. 用途に供する床面積の合計が100㎡を越える特殊建築物
  2. 3階建て以上or延べ面積500㎡超or高さ13m超or軒の高さ9m超の木造建築物
  3. 2階建て以上or延べ面積200㎡超の木造以外の建築物

これらは区域を問わず新築・改築・増築・移転を問わず建築確認が必要となり、さらに大規模修繕・模様替えでも建築確認が必要となります。

③建築確認の流れ

建築物の建築等をしようとする場合、建築主が工事着手前に建築計画が規定に適合する旨の確認を受け、確認済証の交付を受けなければなりません。

具体的には以下の流れとなります。

  1. 建築主が建築計画を作成
  2. 建築主事または指定確認検査機関に確認の申請
  3. 建築主事または指定確認検査機関による確認、確認済証の交付
  4. 建築主による工事の施工(建築工事届提出後)
  5. 特定工程の終了
  6. 建築主事または指定確認検査機関による中間審査
  7. 中間審査合格証の交付
  8. 建築主による工事完了
  9. 完了から4日以内に完了検査の申請
  10. 建築主事または指定確認検査機関による完了検査
  11. 申請から7日以内に検査済証の交付
  12. 建築主による使用・管理

単体規定

①単体規定とは

単体規定とは、建築物そのものの安全性や居住性を確保するための規定です。それに対して集団規定とは周囲の環境や他の住民との調和を図るための規定です。

①敷地の高さ

敷地についての制限である敷地の高さは、建築物の敷地は道の境より高く、建築物の地盤面はこれに接する周囲の土地より高くなければなりません。

ただし、排水に支障がない場合は低くても構いません。

②排水処理施設の設置

排水処理施設の設置は下水管等を設置しなければいけません。

③防火壁の設置

防火壁の設置は延べ面積が1,000㎡超であれば、防火壁によって有効に区画し、それぞれの区画の床面積を1,000㎡以内としなければいけません。

ただし、耐火建築物もしくは一定の準耐火建築物の場合は例外に当たります。

④居室の採光

開口部(窓)がない居室は原則、耐火構造にし、不燃材料で作らなければならず、居室の採光は居室の開口部(窓)の面積は居室の床面積に対して1/7以上でなければなりません。

ただし、やむを得ない事情がある場合はこの限りではありません。

⑤居室の換気

居室には開口部(窓)を設け、居室の床面積に対して1/20以上とします。

⑥避雷設備

高さ20mを超える建築物には、支障がない限り、避雷設備を設置しなければいけません。

⑦非常用昇降機

高さ31mを超える建築物には非常用昇降機(エレベーター)が必要となります。

接道義務

①接道義務とは

建築物の敷地は原則として道路に2m以上接しなければなりません。そして接する道路は、建築基準法により、原則として幅員(幅)4m以上でなければなりません。

この2つの規定が接道義務の内容です。4m未満でも特定行政庁が指定(2項道路)すれば、建築基準法上の道路として扱われます。

つまり幅員4m未満の狭い道路であっても2項道路であれば、その道路に2m接していれば、建築可能ということになります。

②2項道路の目的

2項道路の規定は建築基準法の接道義務の制定前から存在した古い建築物において、幅員4m以上必要という規定ができれば全て違法建築物となってしまいます。

これでは社会的・経済的安定が妨げられるので、これらの建築物が違法なものとして取り扱いされないように2項道路という規定ができました。

③セットバック

新たに建築物を建築する際は、火災が起きた等の安全面を検討すると、2項道路も将来的には幅員4m以上であるべきです。

よって2項道路に面して新たに建築物を建築するときは、道路の中心線から2m後退した線を敷地の境界線としなければなりません。これをセットバックといいます。

つまり中心線から2m以内の敷地は建築することができず、容積率や建ぺい率では、この部分の面積は敷地面積として計算しません。

④例外

接道義務の例外として、以下の2つが規定されています。

  1. 地盤面下に設ける建築物(地下駐車場、地下商店街)
  2. 公衆便所や派出所など公益上必要な建物で特定行政庁が認めて、建築審査会で許可したもの

用途制限

①用途制限とは

都市計画で住居系・商業系・工業系の12種類の用途地域が規定されていますが、用途制限では建築物を基準に、どの地域で建築できるか、という規定になります。

①全ての用途地域で建築できる

神社・寺院・教会等の宗教施設、保育所等の社会福祉施設、診療所・公衆浴場等の医療衛生施設、巡査派出所・公衆電話等の近隣公共施設

②工業専用地域以外

住宅・共同住宅・寄宿舎等の住居、図書館、博物館、老人ホーム

③工業地域、工業専用地域以外

幼稚園・小学校・中学校・高等学校

④第1・2低層住専・工業・工業専用地域以外

大学、高等専門学校、病院

⑤第1種低層住専、工業専用地域以外

飲食店

⑥第1・2低層住専、中高層住専以外

自動車教習所

⑦第1・2低層住専・中高層住専、工業専用以外

ボーリング場

⑧第1・2低層住専・中高層住専、工業・工業専用以外

ホテル、旅館

ただし規制に引っかかる建築物でも、特定行政庁の許可があれば建築できる例外規定があります。

②優先順位

建物の敷地が複数の用途地域にまたがる場合は、敷地面積の過半が属する地域の制限を受けることになります。

容積率

①容積率とは

容積率とは、敷地面積に対して延床面積がどれくらいまでなら建築物を建てられるかという割合を表します。

延床面積とは建築物の各階の床面積の合計のことです。すなわち、容積率が200%・敷地が100㎡であれば延床面積が200㎡までの建築物が建築できることになります。

②延床面積の算出

この延床面積には住居の地階・車庫・マンションの共有部分等は含めません。容積率には都市計画容積率前面道路容積率の2つがあり、前面道路の幅員によって適用が異なります。

前面道路の幅員が12m以上の場合は都市計画容積率を用い、12m未満の場合は前面道路容積率と都市計画容積率を比較して値が小さい方が、その敷地面積における容積率となります。

①都市計画容積率

都市計画容積率とは、都市計画で定める容積率であり5/10から130/10まであります。前面道路容積率とは、道路の幅員(m)×法定乗数で求められる値です。

もし敷地が区画の角地で、例として4mと6mの道路に面している場合は幅員が広い6mで計算を行います。建築物が容積率の異なる複数の用途地域にわたる場合は各部分の面積の全体敷地面積に対する割合の合計で計算します。

建ぺい率

①建ぺい率とは

建ぺい率とは、建築物が密集して市街地で敷地いっぱいに建物を建ててしまうと、日当たりが悪くなったり、火事の際は延焼のおそれがあります。

住環境や地域の乱開発を防ぐために建ぺい率と容積率の規制を行っています。建ぺい率は、敷地内に適度の空地を確保することで日照、採光、通風の確保や延焼防止を図ることを目的として規制されています。

②建ぺい率の割合

建ぺい率は、敷地全体に対して建築物の面積をどこまで建築できるかという割合を表します。すなわち、敷地面積に対する建築面積の割合です。

例えば建ぺい率が5/10で敷地が200㎡のときは、100㎡までは建築物の床面積として使用できることになります。

建ぺい率は用途地域との組み合わせにより3/10から8/10の間で定められます。

③例外

建物の構造が制限される防火地域や一定の要件を満たす角地では、指定された建ぺい率の緩和措置があり、実質的に制限がない場合もあります。

例えば防火地域内にある耐火建築物、角地にある敷地、特定行政庁が指定する地域内にある建築物は、建ぺい率が1/10緩和され、3項目のうち2項目に該当する場合は2/10緩和されます。

④優先順位

建築物が建ぺい率の異なる複数の用途地域にわたる場合は、各部分の面積の全体敷地面積に対する割合の合計で計算します。

高さ制限と斜陽制限

①高さ制限

絶対高さの制限は良好な住居環境を保護するため、第一種低層住居専用地域第二種低層住居専用地域で適用されます。

建築物の高さは、原則として10mまたは12mのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはなりません。

②適用除外例

都市計画で10m以下と定められた地域でも、敷地面積と敷地面積内の空き地が一定面積以上の建築物で、特定行政庁が良好な住環境を害するおそれがないと認める場合、高さの限度は12m以下となります。

敷地の周囲に広い公園や広場、道路や空き地を有する建築物、学校その他の建築物であって、用途によってやむを得ない場合は、特定行政庁が建築審査会の同意を得て、良好な住環境を害するおそれがないと許可した建築物は、絶対高さの制限も適用除外となります。

③斜線制限

斜線制限とは、建築物と建築物の間に空間を確保して通風・採光・日照等の条件を良くするために設けられました。

斜線制限には以下の3種類があります。

  • 道路斜線制限
  • 隣地斜線制限
  • 北側斜線制限

日影制限

①日影制限とは

建築物が隣地に落とす日影の量を規制することで間接的に建築物の高さを制限し、隣地の日照を確保する目的とした規制です。

日影制限は、隣地に生じる日影を一定時間に限るとして、直接的に日照を保護するために設けられました。

②日影制限の例

地域建築物
・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
軒高7mを超える建築物
または地上階数3以上の建築物
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
・第一種住居地域
・第二種住居地域
・準住居地域
・近隣商業地域
・準工業地域
高さ10mを超える建築物
・用途地域の指定のない区域軒高7mを超える建築物
または地上階数3以上の建築物
または高さ10mを超える建築物
・商業地域
・工業地域
・工業専用地域
制限なし

③同一敷地内

同一敷地内に2つ以上の建築物が存する場合は、これらの建築物を1つとみなして日影制限を適用します。

例えば甲(20m)、乙(7m)の建築物が同一敷地内に建っている場合は、本来は日影制限の適用とならない乙についても規制を受けることになります。

④例外

対象区域外にある高さが10mを超える建築物で、冬至日において対象区域内の土地に日影を生じさせるものは対象区域にある建築物として日影制限を受けることになります。

防火地域

①防火地域とは

災害が多い日本では地震があると火災が発生したり、木造建築物が多いので、建築物が密集する市街地では火災が発生すると甚大な被害となる可能性があります。

被害を最小限に食い止めるため、市街地の不燃化を目的として都市計画において防火地域準防火地域という建築物の構造の規制が定められています。

②防火地域の規制

看板・広告塔など建築物の屋上に設けるもの、または高さが3mを超えるものは、その主要部分を不燃材料で造るか覆わなければいけません。

また以下の条件に当てはまる建築物は、耐火建築物または準耐火建築物である必要があります。

①耐火建築物

  • 地階を含む階数が3以上
  • 延べ面積が100㎡を超える

②耐火建築物または準耐火建築物

  • 2階以下で、かつ延べ面積100㎡以下

③例外

耐火建築物または準耐火建築物にしなくてもよい建築物は、以下の通りです。

  • 延べ面積が50㎡以下の平屋建ての付属建築物(物置等)で外壁および軒裏が防火構造のもの
  • 高さ2m以下の門または塀
  • 高さ2mを超える門または塀で不燃材料で造りまたは覆われたもの

準防火地域

①準防火地域の規制

準防火地域は防火地域よりもやや緩やかな規制となっており、大型建築物が対象となっています。

①耐火建築物

  • 地階を除く階数が4階以上
  • 延べ面積が1500㎡を超える

②耐火建築物または準耐火建築物

  • 地階を除く階数が3階
  • 延べ面積が500㎡~1500㎡

②優先順位

建築物が防火地域と準防火地域にまたがる場合は、その全部について厳しい方の防火地域に関する規定が適用されますが、敷地の一部が防火地域に及んでいても、建築物が準防火地域にあれば、準防火地域の規制しか受けません。

③共通の規制

防火地域・準防火地域に共通する規制は以下が挙げられます。

  1. 屋根は一定の技術的基準に適合させる
  2. 開口部(窓やドア)で延焼のおそれのある部分には一定の防火設備を設ける
  3. 外壁が耐火構造のものは隣地境界線に接して設けることができる

建築協定

①建築協定とは

建築協定とは法律ではなく、地域の住民たちの取り決めです。建築協定を締結することができるのは、土地所有者または借地権者というのは押さえておいてください。

また建築協定ができる事項は、以下の通りです。

  • 建築物の敷地
  • 位置
  • 構造
  • 用途
  • 形態
  • アイディアやデザイン等の意匠
  • 建築設備に関する基準

②区域

建築協定を締結できる区域は、都市計画区域・準都市計画区域の内外は問わず、建築協定を締結することができる旨を定めた条例が制定されていれば全国で設定することができます。

③建築協定の効力

建築協定の効力は、認可の公告後に土地所有者や借地権者となった者に対しても及びます。建築物の借主も含まれますが、借地権の目的となっていた土地で合意しなかった土地所有者の土地承継人には効力は及びません。

①借地権の土地

借地権の目的となっている土地所有者は、特定行政庁の認可を受け、1人で当該土地の区域を協定区域として建築協定を定めることができます。

※認可の日から3年以内に協定区域内の土地に2人以上の土地所有者等が存することとなったときから通常の建築協定となる。

②借地権ではない土地

借地権の目的となっていない土地の所有者は一人で建築協定を締結することができます(一人協定)。

本来、ある区域に一人しか人がいなければ、その人の自由に区域内の土地を取り扱うことができるので協定は不要ですが、いずれ人がたくさん来ることを見込んで制定できるとしています。

つまり一人協定は分譲業者がその区域を将来、自己の想定するような街にするために作ることが考えられます。