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免許区分

①免許区分とは

宅建業の免許権者は国土交通大臣と都道府県知事の2つに区分されています。

これら2つの違いは、2つ以上の都道府県に事務所を設置するか、1つの都道府県に事務所を設置するかの違いにより区分されます。

2つ以上の都道府県に事務所を設置する場合は国土交通大臣免許となり、1つの都道府県に事務所を設置する場合は、都道府県知事免許となります。

②営業範囲

免許を取得した都道府県でしか、営業できないわけではありません。

営業範囲が限定されるわけではなく、東京都に本店を設け、都道府県知事免許を取得した場合でも、神奈川県や埼玉県など他県の物件を紹介・販売して営業することは可能です。

③免許換え

知事免許から大臣免許へ免許換えを行う場合に注意すべき点は、更新回数が(1)に戻ってしまうことです。

宅地建物取引業免許 東京都知事(4)○○○○○号

※免許番号の左側に記載されるのが更新回数です。

④免許の条件

宅建業の免許は個人・法人どちらでも受けることが可能ですが、法人免許は株式会社・合同会社・公益法人・事業共同組合など、法人格を有するものでなければなりません。

免許の手続き

①手続きの流れ

宅建業の免許の手続きは申請するところから始まります。

申請の窓口は、本店事務所の所在地がある都道府県庁の宅地建物取引業担当課となり、国土交通大臣免許の申請をする場合でも窓口は同様です。

②必要書類

提出書類は種類が多く、商業登記簿謄本や身分証明書などの公的証明書をはじめとした提出書類も、別途用意しなくてはなりません。

事務所の設置が免許交付の条件ですので、外観や内部の写真も提出します。

③書類の提出

必要書類が全て揃ったら、副本用として必要な部数のコピーを取り、書類を決められた順番に上から重ねて綴じ、コピーした書類を使い副本用も同様に製本して、提出書類が整うことになります。

窓口への書類の提出は、都道府県庁へ申請人本人が出向き、提出します。この際に、申請手数料33,000円を支払います。

④審査

審査には4~6週間程度かかります。

免許の通知後、営業保証金の供託を行い、供託物受け入れの記載がされた供託書の写しを添付して、免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事に届出します。

これで免許証の交付を受けることができます。

免許の欠格事由 - 悪事

①欠格や取り消し

宅建業の免許が取り消される事由は細かい規定が存在します。免許が取り消された後の5年は免許の再取得ができないという厳しい効果があります。

宅建業法66条1項8号又は9号

②悪事の欠格事由

  • 不正の手段により宅建業の免許を受けたとき
  • 業務停止事由に該当し、情状が特に重いとき
  • 業務停止処分に違反して、宅建業を行ったとき

免許を取得する時の欠格事由とは別に、免許を受けている宅建業者が取消を受けた後、5年は免許を受けられない重い行政処分として挙げられます。

③役員への罰則

悪事による免許の欠格事由に該当して、取り消されたのが法人であった場合、役員も法人の免許取消の日から5年を経過するまで、再度免許を受けることはできません。

法人といっても経営判断や実態は、役員の意思によるものが多いからです。

免許の欠格事由 - 犯罪

①犯罪の欠格事由

禁錮以上の刑または宅地建物取引業法違反等により罰金の刑に処せられた場合、免許を受けることはできません。

①禁固以上の刑に処せられ、執行が終わった日から5年を経過しない者

執行が終わる日とは執行を免除されたり、執行の時効が完成した場合をさします。

執行猶予期間が満了した場合、刑の言い渡し自体が消滅するので、5年間を待たずに直ちに免許を受けることができます。執行猶予期間中の免許の申請はできません。

②宅建業法に違反し、または暴力的な犯罪等を行って罰金刑に処せられた者

宅建業には不適格とみなされ、禁固ではなく罰金刑であっても5年間は免許を受けることができません。

③過去に宅建業に関し、不正または著しく不当な行為をした者

申請前5年以内に宅建業に関して、不正または著しく不当な行為をした場合です。

④将来、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者

明確な判断基準はありませんが、過去に詐欺や脅迫的行為の経歴があったり、暴力団員の構成員だと該当する可能性があります。

免許の欠格事由 - 役員

①役員の欠格事由

宅建業の免許申請をする法人・個人、法人の役員、個人の法定代理人、政令使用人(支店長)が以下の事由に該当する場合、5年間免許を取得することが出来ません。

  1. 免許不正取得、情状が特に重い不正不当行為又は業務停止処分違反をして免許を取り消された場合
  2. 免許不正取得、情状が特に重い不正不当行為又は業務停止処分違反をした疑いがあるとして聴聞の公示をされた後、廃業等の届出を行った場合
  3. 宅建業法もしくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反したことにより、罰金刑以上の刑に処せられたか、それ以外の法律により禁固刑以上の刑に処せられたことがある場合は、その刑の執行が終わった、又は刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない場合
  4. 免許の申請前5年以内に宅地建物取引業に関して不正又は著しく不当な行為をした場合

未成年者の免許

①未成年者の免許

未成年者は単独で営業等の法律行為を行うことはできません。

しかし法定代理人から営業の許可を受ければ可能となり、未成年でも営業に関して成年者と同一の行為能力を有するとみなされ、成年擬制の効果があります。

この場合、単独で免許を受けることができます。営業の許可を受けていない未成年者は法定代理人を基準に判断します。

②免許の条件

営業の許可を受けている未成年は、成年擬制の効果を受けた未成年者として、免許の申請の資格審査が行われます。

すなわち法定代理人が宅建免許の欠格事由であっても、法定代理人(親権者)としての地位にあれば、営業許可をすることで未成年者は免許を受けられることになります。

③法定代理人が法人の場合

平成24年度の法改正により、法人を未成年後見人に選任できるようになりました。

しかし未成年者の法定代理人が法人の場合で、役員の中に欠格要件に該当する者がいる時、その未成年者は免許を受けることができなくなりました。

事務所と案内所

①事務所とは

宅建業を営むためには事務所を設置しなければなりません。事務所の定義は下記の通りです。

  1. 本店(主たる事務所)
  2. 支店(従たる事務所)
  3. 宅建業務を継続的に行うことができる施設を有する場所で、宅建業に係る契約締結権限を有する使用人を置いているところ

①事務所の範囲

支店で宅建業を営んでいれば、宅建業を営んでいない本店も事務所となり、支店が複数あれば宅建業を営んでいるところのみ事務所となります。

例えば本店・支店甲・支店乙を構えていて、支店乙のみで宅建業を営んでいるとすれば本店と支店乙が事務所となります。

②事務所の設置義務

事務所には以下の5つを設置しなければなりません。

  1. 標識
  2. 報酬額の掲示
  3. 帳簿
  4. 従業者名簿
  5. 成年者である専任の宅建士

②案内所とは

宅建業は事務所以外にも、モデルルームのような案内所等も活用して行われます。

案内所等の定義は以下の通りです。

  1. 事務所以外の、継続的に業務を行うことができる施設を有する場所
  2. 一団の宅地建物の分譲を行う案内所
  3. 他の宅建業者が行う一団の宅地建物の分譲の代理・媒介を行う案内所
  4. 宅建業務に関する展示会などの催しを実施する場所
  5. 一団の宅地建物の分譲をする際に、その宅地建物が所在する場所

※2, 3, 5の一団の宅地建物とは、10区画以上の宅地または10戸以上の建物を指します。

①案内所の設置義務

案内所には次の3つを設置しなければなりません。

  1. 成年者である専任取引士(上記5を除く契約の申込みを受ける場合、または契約を締結する場合)
  2. 標識
  3. 案内所等の届出

証明書

①従業者証明書とは

従業者証明書とは、宅地建物取引業者が宅地建物取引法に基づいて作成する証明書のことです。

宅地建物取引士証や社員証とは別に、法令で様式が定められている証明書です。

①携帯義務

宅地建物取引業者は、従業者に従業者証明書を携帯させなければ、宅地建物の取引業務に従事させてはならないと定められています。

宅地建物取引業法第48条

宅建業者の従業者であればパート、アルバイト、正社員を問いません。

②記載事項

証明書への記載事項は下記の通りです。

  • 従業者証明書番号
  • 従業者氏名・生年月日
  • 業務に従事する事務所の名称および所在地
  • 宅建業に従事していることの証明
  • 証明書有効期間
  • 免許証番号
  • 商号または名称
  • 主たる事務所の所在地
  • 代表者名
  • 社印または代表者印
  • 顔写真(撮影年月日を記載)

②従業者名簿とは

宅建業者は国土交通省令で定めるところにより、その事務所ごとに従業者名簿を備えなければなりません。

また宅建業者は取引の関係者から請求があった時は、従業者名簿を閲覧させなければなりません。従業者名簿は最終の記載をした日から10年間の保存義務があります。

①記載事項

従業者名簿への記載事項は下記の通りです。

  • 従業者証明書番号
  • 生年月日
  • 主たる職務内容
  • 取引士であるか否かの別
  • 事務所の従業者でなくなったときはその年月日等

②注意点

取引士の事務禁止処分の内容は記載されません。

従業者名簿を備えなければならないのは事務所だけです。